USUM全国ダブルシーズン17使用構築

シーズン17で使用した構築を紹介します。
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〈前回の構築との関連性〉
 前回紹介した構築とコンセプトは変わりません。構築のポケモンを雨下に特化させ、殴り合い性能を可能な限り高めています。一応対天候パへの選出が異なるため雨降らしを追加していますが、勝ちパターンは同じだと言えます。
 ではどこが変わったかと言うと、メガシンカ枠にラグラージを採用したことで雨選出がより強力になりました。威嚇が入っていないため砂パがかなり重くなりましたしカプブルルも少しきついですが、その分はニョロトノナットレイに頑張ってもらいます。
 またガマゲロゲが持っていたZクリスタルを今回はカプコケコに与えています。これにより守るを持ちつつ一発は眼鏡型を超える火力を出せますが、平常の火力で劣るため、コケコの性格を変更しました。これにより火力は一応足りるようになったのですが、その結果として他のポケモンは歪な型を採用せざるを得なくなりました。
以下、個体について解説します。

〈個体解説〉
カプ・コケコ@デンキZ 性格:控え目 特性:エレキメイカ
実数値(努力値):146(4)-×-106(4)-160(244)-96(4)-182(252)
技:雷/ボルトチェンジ/マジカルシャイン/守る
 雨パにおけるこのポケモンは電気タイプ版キングドラみたいな物だと思っています。数値はキングドラよりもかなり低いですが、それでも全体としてみれば非常に高い部類に入ります。またキングドラには無い利点として、相手のフィールド展開を妨害できることが挙げられます。自身がボルトチェンジを使えることに加えて後述のニョロトノを選出する試合では必然的に交代の回数も増えるので、キングドラよりも交代戦においては便利だと言えます。
 控え目にする理由ですが、これは「特攻147カプコケコのEF下Z10万ボルト耐え」調整を施したポケモンを高乱数で倒せるからです。それだけでなく、手助けを合わせれば大体のクレセリアを落とせます。しかし最速でないデメリットも大きく、特に最速メガゲンガーに勝てないのは辛いです。積極的に狙うべきではありませんが、いざという時に50%の勝負を挑める権利が重要なんだと思い知りました。
 努力値調整は前回と変わらず耐久にそれぞれ4振り、素早さに全振り、余りを特攻に振りました。敢えて言うならば、素早さは準速から少し落としても良いかもしれません。

ペリッパー@湿った岩 性格:控え目 特性:雨降らし
実数値(努力値):152(132)-×-121(4)-143(116)-98(60)-110(196)
技:波乗り/暴風/追い風/守る
  湿った岩持ちの第1雨降らし枠。ニョロトノには総合性能では劣りますがその分火力が高いです。雨を長く降らせることが雨降らしの仕事なので非天候相手にはこちらを優先的に選出します。技構成は前回と全く変わっていません。
 変わったのは調整。かなり具体的な場面を想定したものに変更しました。メガゲンガーに前述のカプコケコが勝てないということは、ゲンガーと組みやすいジャラランガに他の面子で対応しなくてはならないということでもあります。火力が下がるのであまりやりたくはなかったのですが、ペリッパーが特攻特化ジャラランガブレイジングソウルビートを耐える調整をすることで、追い風を展開しやすくしています。前回の記事では書きませんでしたが、素早さを110に調整した意図は、トレースサーナイトと対面した時になるべく先手を取って特性を発動させるためです。サーナイトの素早さ分布を前シーズンの対戦の記録から調べたところ、トリル持ちサーナイトの素早さは大体101~109の範囲、それより速い個体は132~145が多かったです。速い個体は最速にしても全く抜けないので、火力と耐久を落としすぎない範囲で素早さを上げました。

ニョロトノ@脱出ボタン 性格:図太い 特性:雨降らし
実数値(努力値):197(252)-×-138(244)-110-122(12)-76
技:熱湯/手助け/黒い霧/アンコール
 第2雨降らし枠。主に天候パに対して選出します。繰り出して雨を降らせるのが役割なので持ち物は展開の速度を重視した脱出ボタン。脱出ボタンのみであれば被弾が増えるためかえって遅くなりますが、ボルトチェンジと組み合わせることで素交代の回数を減らすことが出来ます。
 技は素早さの遅さを補うための手助け、一応の攻撃技として熱湯を採用しました。残りの枠には置物化を防ぐためのアンコールと黒い霧。この2つは若干役割が被っていますが、これらが揃うことで太鼓カビゴンと瞑想カプレヒレに十分に対応することが出来ます。特にアンコールはリザードンで隙を作ってサポートを行ってくるクレセリアにも効くので汎用性が高いです。滅びの歌も候補に入りますが、この構築ではほぼラッキー構築にしか使わないだろうと判断しました。
 調整はほぼ防御特化。脱出ボタン持ちのため交代が増え、居座るときは基本手助けを使った方が強いポケモンなので、耐久に全振りすることはすぐに決められました。もう少し特攻を伸ばせば熱湯で無振りランドロスを倒せますが、その為だけに普段使わない能力を伸ばすのは無駄な気がしました。一応トリル下の最遅クレセリアよりも速く動けるようにS個体値を下げておきましたが適当すぎるので最遅の方がお薦めです。

ラグラージ@メガ石 性格:意地っ張り 特性:激流→すいすい
実数値(努力値):176(4)-221(244)-131(4)-×-131(4)-122(252)
技:滝登り/冷凍パンチ/馬鹿力/守る
 破格の性能を誇るすいすいポケモン。前回のエースのガマゲロゲはよくラグラージと比較されますが、両者は全く使用感が違います。ガマゲロゲ(というかラグラージ以外のすいすい)が水半減かつサブウエポンで弱点を突ける、そして早急に処理しなくてはならない相手でない限りほぼ水技で攻めるタイプのポケモンなのに対して、こっちは素の数値が高いため、サブウエポンでも馬鹿にならない火力が出ます。一方でラグラージはメガリザYに先制雨乞いを使えないので、その点では非メガのすいすいに劣ります。技構成についてですが、ジャラランガに打点を持てる冷凍パンチはゲンガー構築を任せている以上抜けませんでした。ニョロトノがカクトウZ持ちでないため、氷タイプ対策となる馬鹿力も抜けなかった結果、地震を外すことになりました。水タイプへの打点になるので出来れば外したくなかったのですが、カプコケコ、ルンパッパ、ナットレイがいれば何とかなるだろうと、この辺は妥協しています。

ルンパッパ@突撃チョッキ 性格:控え目 特性:すいすい
実数値(努力値):159(28)-×-91(4)-156(252)-121(4)-118(220)
技:熱湯/冷凍ビーム/エナジーボール/猫騙
 詰め要員をこなす2匹目のすいすいポケモン。ミズZ型にする人も多いですが、基本的に後発に選出するポケモンなので、火力よりも安定を取りました。特にフェアリーZ瞑想レヒレやエアスラ持ちリザードンと戦えるのはチョッキ型にしかない強みです。
 努力値はHPを16n-1調整になるように振り、素早さは最速スカーフ霊獣ランドロスを雨下で先制できる118まで伸ばし、残りを防御と特防に4ずつ振りました。きれいな配分で気に入っていますが、最速スカーフカプテテフが気になる場合は普通に特攻と素早さに全振りで良いです。どっちにしろそこまで耐久力に差はないです。
 他のすいすいと比べてもこのポケモンは草タイプを持つおかげで終盤戦における対面性能が非常に高いです。このルンパッパの唯一性は水タイプやナットレイ読みの炎タイプなど、後発で詰めを狙う相手にも有効であり、言うことが無い位活躍してくれました。一方でこれは殆どラグラージと一緒に選出したからこそで、ルンパッパ1匹では力不足が目立ったため、これ自体の単体性能を過信してはいけないとも感じました。

ナットレイ@拘りハチマキ 性格:勇敢 特性:鉄のトゲ
実数値(努力値):181(252)-160(252)-151-×-137(4)-22
技:ジャイロボール/パワーウィップ/アイアンヘッド/叩き落とす
 対スイッチトリル役を担う鋼枠。水タイプ4匹という構成になっても、ナットレイのお陰で相手が炎タイプを控えてくれるのが強く、選出しなくとも十分活躍してくれました。役割としては前回と同じく先発に起用して相手を削るというものですから、技はジャイロボールとパワーウィップアイアンヘッドでほぼ完成形。残り1枠には一応叩き落とすを採用しました。種爆弾かタネマシンガンだと削れた水タイプへの安定択になります。
 努力値も攻撃とHPに特化にしています。特防に振った個体もいますが、このナットレイに生き延びて欲しい場面はそうそう無いので、とりあえず火力を重視しました。

〈立ち回りと選出〉
vsサーナイトスタン、ガルーラスタン
先発:ペリッパーナットレイ 後発:ラグラージルンパッパ
 先発で相手のトリル展開を抑えて攻撃していきます。守ると交代は雨ターンを無駄にする弱い動きなので極力避けます。ペリッパーナットレイ共に残しておきたい理由が無い場合は倒されてくれた方が戦いやすいです。すいすいが通りやすいため相性は良く、読み合いも殆どしないので安定して動けます。こちらの方が基本スペックで勝るため当たった構築の中では一番勝率が高く、シーズン16ではガルーラ、サーナイト共に数が多かった気がしますが(特にサーナイト)、シーズン17終盤はリザスタンが増加したせいか殆ど見掛けなくなってしまいました。

vsテテフグロス
(非トリトドン入り)先発:ペリッパーラグラージ 後発:カプコケコルンパッパ
(トリトドン入り)先発:ペリッパーナットレイ 後発:カプコケコルンパッパ
 瞬発火力に優れるテテフとメタグロスが厄介ですが、天候を持っていなければこちらのコケコとすいすい2匹を抜けないため相性はかなり良いです。トリトドン入りにはラグラージの代わりにナットレイを選出します。トリトドン自体は殆どの場合初手に出てこないので水技を使わない並びを用意しておけばある程度互角に戦えます。そのまま相手の2匹を倒してトリトドンを繰り出されるのが理想的な展開です。万が一相手から交代したとしても、トリトドンを並べた時点で火力を自ら削ることになります。トリトドン自体が雨に圧倒的に強い訳では無く、呼び水の圧力で水技を牽制するのが主な役割であり、天候特性持ちと異なり、すいすいを根本的に弱体化させられるポケモンではありません。ラグラージ地震があればもっと楽な相手ではありますが、それが無くともトリトドンを無視して火力が高いポケモンから削っていけば勝てます。

vsレヒレグロスボーマンダスタン
先発:ペリッパーカプコケコ 後発:ラグラージルンパッパ
 レヒレグロスボーマンダスタンに対しては高速3匹を選出します。レヒレグロスはテテフグロスと比べると水技の通りが悪いですが、代わりにコケコの通りが良いので、上から殴り続ければルンパッパで縛ることが出来ます。
 ボーマンダスタンですが、これは採用される取り巻きによって相性が変わってきます。よくみるカミツルギガオガエンカプコケコのような並びであれば相性は良いです。一方で草タイプにカプブルルやジャローダを採用している相手の場合、ナットレイが通りづらいこともあって、かなり分が悪くなります。

vsリザードンスタン
(非トリックルーム)先発:ペリッパーカプコケコ 後発:ニョロトノ+ルンパッパorラグラージ
(トリックルーム入り)先発:ニョロトノカプコケコ 後発ルンパッパラグラージ
 レート終盤は半分位トリックルーム入りのリザドランと当たっていました。今回は雨乞いを持つポケモンを用意していないため、脱出ボタン持ちニョロトノで天候を維持できるようにします。交代際にメガシンカせずに追い風を使われるとまずいので、先発にカプコケコを出すことでその選択肢を安定択にさせないようにしました。
 大体初手にリザードン+素早さ操作役が来るため、どこでリザードンを倒すかは場合によります。特にリザドランにレヒレツルギが入ったパターンの相手だとリザードンを倒しても攻撃の主力が残ってしまいます。カミツルギもカプレヒレも雨に強い訳ではないですが、リザードンがサポートに回り、天候と素早さ操作で隙を作られると流石にすいすいでは勝ちきれません。一方でリザードン自体は天候が晴れの状態でなければ自身で攻めることが出来ないため、攻め手を挫くためにあえてリザードンを残して周りを倒しに行く方が有効なことも多いです。しかしいずれにせよ最終的に天候を取るというプランは変わらないので、雨降らしとボルトチェンジの活用がカギになります。

vsゲンガーブルルジャラランガ
先発:ペリッパーカプコケコ 後発ナットレイラグラージ
 本来は遅いポケモンを後発に控えたくないんですが、相手のカプブルルのターゲットを分散させるためにナットレイを詰め役として後発に置きます。相手の先発に合わせてコケコを守らせるかラグラージに入れ替えるかを決めます。初手滅びの歌から入ってくる場合は目の前のポケモンを倒しきるよりも滅びの歌で2匹倒された後に相手を縛れるようにダメージを入れるとナットレイを通しやすくなります。トリックルームから入ってくる場合はコケコ切り捨てナットレイ死に出しでトリルターンを上手く調整してラグラージで詰められるように動かしていきます。

vsゲンガーレヒレツルギ
先発:ペリッパーラグラージ 後発カプコケコルンパッパ
 トリルは無く、天候も持たないため力押しが通じます。追い風展開からルンパッパで詰めるのが理想で、そのためにも影踏みで一方的な不利対面を作られないようにしていきます。一見きつそうなカミツルギは上からカプコケコかメガラグラージで一撃、適当に削ればルンパッパでも十分倒せます。
 よく雨パの天敵のように語られますが、耐久力がない上に素早さもすいすいより遅いため、むしろカミツルギは雨パに弱いとも言えます。天候を解除できなければすいすい側の優位を活かして押し切れますし、実際ゲンガー構築相手でカミツルギに苦戦した記憶も特にありません。

vsバンギラス入り
先発:カプコケコラグラージ 後発:ニョロトノルンパッパ 
 岩雪崩を受けられるトノを後発に配置。トノで天候合戦を制すればすいすい2匹を通せます。カプコケコルンパッパはバンギラスにそこまで強くないですが、取り巻きとして採用されやすいメガボーマンダに強く出られることと、ボルトチェンジ猫騙しでニョロトノ交代の隙を減らせることから選出しています。天候を取る目標自体はメガリザードン相手と変わりませんが、仮に天候を取れたとしてもバンギラス構築は機能停止するわけではないため取り巻きによっては苦しくなります。

vs雨パ
先発:カプコケコナットレイ 後発:ペリッパールンパッパ
 相手のすいすいが雨にタダ乗りしてくると厄介なので、ペリルンパは後発。すいすいを倒してルンパで詰める流れは前回と一緒です。相手にナットレイがいる時はペリッパーを大事にすると勝ちやすくなります。基本的にナットコケコがどれだけ相手を倒せるかの勝負です。しかしこちらのナットレイは詰め役になれないので交代は捨てて攻めます。

vsユキノオー入り霰パ
先発:ラグラージカプコケコ 後発:ニョロトノ+ルンパッパorナットレイ
 ラグラージとコケコでユキノオーを落としに行きます。霰パの取り巻きは炎タイプや格闘技持ちであることが多いので、守るの読み合いになりやすいナットレイは相手にトリルが無いなら選出しません。逆に相手の視点から見ると最も危険なポケモンナットレイであることから、その対策ポケモンはほぼ確実に出してくれます。それらの殆どはすいすいに弱いため、ユキノオーさえ倒してしまえば霰パはラグラージを止められなくなります。ユキノオー自体は確かに厳しいですが、ユキノオーを縛ることだけを考えれば勝てるので、再戦で無ければ相性自体は悪くありません。

vsガチトリル
先発:ニョロトノラグラージ 後発:ナットレイ+ルンパッパorカプコケコ
 トリル発動を見てからナットレイに切り替えて戦います。催眠持ちがいたらコケコをルンパッパの代わりに入れます。
 トリルターンの消費と体力の調整が最も重要な相手で、平常時の単体性能は高くはないためラグラージニョロトノでも十分詰め役になれます。むしろルンパッパを温存しようとして全員が均等に削られた方が危険なことが多いです。特にナットレイに限ってはトリルターン中に倒された方が良いですから、とにかく一度目のトリルが終わった時点でどちらかが相手の先制技で縛られてしまい、二度目のトリルを使われるような状況だけは避けられるように行動します。

vsガードシェアラッキー
先発:カプコケコニョロトノ 後発ナットレイラグラージ
 アンコールと黒い霧でラッキーを行動不能にして倒します。攻撃役になるラグラージナットレイが火傷するとまずいので、相手側がラッキーのみになるまではトノコケコを前に出しておくのが無難です。ガードシェアコンボに特化したラッキー構築はこちらを手早く処理する手段が無いため、ラッキーをがんじがらめにして袋叩きにすれば滅びの歌が無くても撃破可能です。

〈戦績と感想〉
121勝47敗 最終レート1941 2位
 最終レートは大したことありませんが、自分のメンタルと集中力だと今期2000到達は無理なので後悔はしてません。それよりは実質USM最後のシーズンでいかにも7世代らしい構築を使えたことを嬉しく思います。
 第8世代は対戦環境が一気に変わるので興味深いですが、GTSが無くなるらしいと聞いて驚きました。自分は友達が全くいないのでポケモン育成が困難になりますから、剣盾をやるのはよしておこうと思います。その間暇なので別のゲームをやってみたいです。cupheadとかundertaleとか、面白そうですよね。今まで殆どポケモン以外のゲームに手を着けたこと無かったので楽しみです。

最後まで読んで頂きありがとうございました。