ORAS全国ダブルオンライン大会使用構築

 主に自分用としてORAS期に使用していた構築について書いていきます。現在の8世代で直接使えるものではないですが、対戦に共通する根本的な部分は変わらないため、対戦環境が一新されればこのようなタイプの構築もまた日の目を見るのではないかと思います。
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〈構築経緯〉
 ORAS期に入ってから、今まで経験が無かったダブルバトルに挑戦してみたいと思い、色々と構築を試していました。最初は強そうだと思ったサーナイトスタンを使っていたのですが、当時増加していたリザドランに弱い点が気になりました。そこでリザードンに強いと聞いていたバンギラス入り構築を探していた所、とある方のリザバンギバレルの記事に行き着きました。
元記事が現在時点で見れないため真偽は不明ですが、自分がメモにまとめた限りだとこの並びの強みは以下の2点になります。
・ガルキザンアローを始めとした追い風ガルーラスタン、雨パーティに安定行動で高い勝率を出せる
・リザバンギが攻撃面での相性補完に優れる
 更に天候要因が2体いることで、こちらの好きなタイミングで天候を切り替えやすいです。このことは受け重視の並びにおいては有利に働きます。怒りの粉からリザバンギを通す動きも単純に強く、素人の自分にも使いやすいため、この並びで対戦経験を積んでみようと考えました。

〈個体解説〉
リザードン@リザードナイトY 特性:猛火→日照り 性格:控え目
実数値(努力値)メガシンカ前:185(252)-×-108(76)-143(8)-105-142(172)
メガシンカ後:185-×-108-198-135-142(理想)
個体値:31-×-31-30-30-31(目覚めるパワー地面理想個体)
技:熱風/火炎放射/目覚めるパワー地面/守る
※特攻個体値14
 本構築のメガシンカ枠。特性の日照りは火力強化の面が注目されがちですが、同時に味方と自分の水耐性を付けられるため、他の構築タイプより若干ポケモン選択の自由度が高くなります。
 ソーラービームを切った理由ですが、水タイプに関しては晴れさせた時点で早急に処理する必要が無くなること、めざめるパワーが予想以上に便利だったことから必須ではないと判断しました。熱風と火炎放射のどちらかを切ることも考えましたが、ワイドガード持ちとの対面で撃ち分けられる必要があるため両方採用に至りました。
 努力値はとりあえずHPに全振りして素早さは最速ヒードランを抜けるところまで伸ばし、余りを防御と特攻に振り分けました。これより防御に厚く配分したリザードンも多いですが、殆どの場合威嚇、怒りの粉、ワイドガードで守られているならばと、ここではヒードランや耐久振りガルーラより速く動ける方を優先しました。加えてリザードンをこれ以上遅くしてしまうとガルーラドーブル対面で非常に苦しい立ち回りを強いられるため、そういった点でも素早さを落とすことは無理でした。

バンギラス@ラムの実 特性:砂起こし 性格:陽気
実数値(努力値):176(4)-186(244)-131(4)-×-121(4)-124(252)
個体値:31-31-31-×-31-31
技:岩雪崩/けたぐり/竜の舞/守る
 リザードンが通りにくい炎タイプや電気タイプに強いポケモンで、多くは後発で選出していました。竜の舞型の主な利点は自力で小さな素早さ操作が出来る所です。なので追い風やトリックルームで素早さ上昇を打ち消されやすく、相手のポケモンが完全に見えていない序盤でアドバンテージを稼ぐのには適していません。逆に終盤、削れた相手を縛りたい時には強力な選択肢になります。
 技に関しては竜の舞、タイプ一致技で竜の舞とも相性が良い岩雪崩は確定。けたぐりは竜の舞を積んだ後にメガガルーラヒードランに高い打点を持てることから採用しました。守るは元々集中されやすいポケモンで、更に積み技を使うためにヘイトを集めやすいことから3つ目の攻撃技を捨てて採用。噛み砕くが欲しい場面もありましたが竜の舞型の相手への圧力を維持するためにも守るを切ることは出来ませんでした。
 持ち物はラムの実を選択しました。竜の舞後の縛り範囲を広げるためなら強化アイテムも候補に入りますが、そこそこサイクル戦を行う構築であり、交代際に入りやすい状態異常技を1回潰せることを考え、最終的には有効な発動機会が多そうな方を取りました。

モロバレル@ゴツゴツメット 特性:再生力 性格:呑気
実数値(努力値):211(252)-×-121(156)-105-113(100)-31
個体値:31-×-31-31-31-0
技:エナジーボール/怒りの粉/キノコの胞子/守る
 味方を守るポケモン。元々は対雨パ性能を見込んで特殊方面に多く配分していましたが、雨に対してはリザバンギで天候を取ってサンダーとギルガルドで殴った方が強いと分かったので、代わりに対ガルーラ性能を強く意識しました。
 怒りの粉を使ってのサポートがメインなので攻撃することはほぼ無いです。それでも最低限必要な技は持たせています。レパートリーは意外と広いですが、その中からエナジーボールを採用した理由は、メガラグラージトリトドンを一撃で倒せるためです。場持を考えればギガドレインの方が強いですし、トリトドンは出てこないことも多く、ラグラージも6世代ではそれほど数はいません。ですが流石に重い相手を処理する手段が全く無いのは怖かったので仕方なく採用しておきました。

霊獣ランドロス@拘りスカーフ 特性:威嚇 性格:意地っ張り
実数値(努力値):181(132)-187(36)-129(148)-×-99(4)-135(188)
個体値:31-31-31-×-27-31
技:地震/蜻蛉返り/岩雪崩/馬鹿力
 威嚇+とんぼ返りを両立できる(6世代では)唯一のポケモン。このポケモンが入るだけで構築全体の耐久力が大きく向上します。何度も受け出す場面があったので、調整は防御的なものになっています。その分素早さを遅めにしていますが、先発のランドロスミラーでスカーフの有無を判定しやすくなる点では一概にデメリットにはならないと考えました。
 技に関しては相手を選ばず選出できるように、汎用的なものを採用しました。岩技にはストーンエッジや岩石封じを使ったこともありますが、そうすると範囲技が地震のみになってしまい、選択に困ったときにとんぼ返りしか使えないため使いづらさが目立ちました。岩雪崩を採用しておけば効果的でなくとも怯みによって一応の勝ち筋を作り出せることも多いです。それに常に横に浮いている味方を置ける訳でもないので、結局は気軽に押せる技に落ち着きました。

サンダー@命の珠 特性:プレッシャー 性格:臆病
実数値(努力値):169(28)-×-103-174(228)-109-167(252)
個体値:31-×-26-31-29-31(目覚めるパワー氷個体)
技:10万ボルト/目覚めるパワー氷/追い風/見切り
 ここまでの4匹は素早さ操作を持っておらず、またランドロス以外が比較的遅いためリザードンミラーやボーマンダスタン、天候パ相手に押し負けやすいです。そこで追い風覚えてなおかつ自身もそれなりに速いサンダーを採用しました。
 調整はほぼ攻撃特化で、技構成も仮想敵を絞った攻撃的なものになっています。目覚めるパワー氷はサイクル戦の要である相手の霊獣ランドロスを一撃で倒せる便利な技。またこのサンダーには見切りを採用しています。それ以外の候補としては技範囲を広げられる熱風、場持ちを良くする羽休めが選択肢に入りますが、猫騙しによるサポートをこの構築が持たないため、集中対策の守る系の技は手放せませんでした。

ギルガルド@食べ残し 特性:バトルスイッチ 性格:控え目
実数値(努力値)シールドフォルム:167(252)-×-171(4)-88(76)-186(132)-86(44)
ブレードフォルム:167-×-71-188-87-86
個体値:31-×-31-31-31-31
技:シャドーボール/毒々/ワイドガード/キングシールド
 ワイドガードを使える鋼枠。ランドロスと同じくこのポケモンも結構な頻度で受け出しするため、メガゲンガーヒードランのような苦手な相手に対しても無理やり居座れるように特殊耐久に多く努力値を割きました。
 技構成に関しては一致技のシャドーボール、味方を守るワイドガード、バトルスイッチの発動条件になるキングシールドまではすぐに決められました。残る一枠には毒々を採用しています。リザードンが天候を晴れさせてくれるので、水タイプは放置出来る一方、草技を切ったせいで早急に処理することが出来ません。そのため相手のスイクンミロカロス等の高耐久水タイプが残って天候が切れてしまうとバンギラスでは手が回らなくなる場面がありました。そこで、とりあえず高耐久の水タイプポケモン以外の相手をこちらの3匹で倒してギルガルドとの1対1に持ち込むことにしました。鋼打点を切った結果ニンフィアの処理速度が低下しましたが、ワイドガードハイパーボイスは止められる上、ニンフィア自体は遅いポケモンなので意外と何とかなります。

〈選出パターンと立ち回りについて〉
vsガルーラスタン、サーナイトスタン、ボーマンダスタン
先発:リザードンランドロス 後発バンギラスギルガルドorモロバレル

vs雨パ(非メガラグラージ入り)、
先発:リザードンサンダー 後発バンギラスギルガルド

vsバンドリマンダ
先発:リザードンランドロス 後発サンダーギルガルド

vsリザードンスタン
先発:リザードンランドロス 後発バンギラスサンダーorギルガルド

vsガチトリル、ラグラージ入り雨パ
先発:リザードンサンダー 後発:ギルガルドモロバレル

 立ち回りについて大まかに説明するとラッキー構築などの例外を除いては、こちらの攻撃を通すのに邪魔なポケモン、もしくは倒した時点で相手のパーティの攻撃力が大きく下がるポケモンから倒すように決めていました。特に有名なスタンダードパーティの殆どは防御面の相性保管を重視して組まれており、対面を適当に攻撃していった場合は非常に硬いです。しかしそれと引き換えにポケモン同士の役割を被らせることができません。役割を被らせられないというのは、言い換えれば全員に一貫する戦術が無いため、相手のゲームプランによって勝負を有利に進められるポイントが変化するということです。
 例えばガルーラスタンであればメガガルーラを倒せば攻撃力が大きく下がりますし、ヒードランを削ればこちらの炎技を受けることが難しくなります。逆にボルトロスクレセリアを先に倒しても主力のポケモンが単体で動ける構築であるため有効ではありません。このように高種族値スタンダードは火力を出すポケモンとサポートを行うポケモンが明確に分かれていることが多く、基本的に火力が高いポケモンから集中的に負荷をかけることで有利な状況を作り出せます。
 一方で天候パやガチトリルは、戦闘に投入されるポケモンが全て一定以上の戦力になります。簡単に言うとポケモン毎のマストカウンターが存在しないか、あるとしても微妙なものであることが多いです。しかし代わりに天候やトリックルームのようなフィールドが力の源になっているため、それに干渉する手段を用意しておくことである程度対策することが出来ます。天候維持に特化した天候パには結構な頻度で押し負けますが、6世代ダブルで一定以上の成績を出せる人は何故かスタンダードパーティを使うことが多いので深く対策しようとは考えていませんでした。
 また構築別の立ち回りはすべてを試合中に決めようとすると間に合わないことが多いです。そのため上に挙げた選出を確定させている相手に対しては、あらかじめ1、出来れば2ターン目まで行動を考えておき、選択時間に余裕を持たせるようにしていました。対戦を通して調整を施してはいましたが、大体どの構築も最低限考慮しなければいけない行動は15パターン前後なので、それぐらいのパターンに対しての固定化は十分可能でした。

〈結果と感想〉
PJCS2015マスターカテゴリー予選最終1798?(詳しく覚えていません、結果についてもし知っている方がいたら教えて頂きたいです。)
PJCSライブ大会予選2勝1敗
 この構築を使っている内に、何となくですが自分の中でどういう構築が強いと思うかが定まってきたような気がします。またこの時期に使いにくい構築が生まれたようで、自分は非天候の高種族値スイッチスタンのような、アドバンテージを稼ぐポイントが極端な構築が苦手になりました。相手に合わせて行動を先読み出来るようになればいいんですが、立ち回りを固定化しやすい構築の方が安定するので使いやすいような気はします。あとは単純に好みの問題です。正直な話固定化の作業自体が勝負するよりも楽しいのです。
 大会が終わってからは予選で戦ってみて強いと感じた雨パと砂パを使っていくのですが、実際の所そんなに劇的な変化をするわけではなくて、立ち回りの基本的な部分はこの構築で組まれた発想をひたすら使い回している感じなのかもしれません。