剣盾ダブル シーズン10使用構築

剣盾シーズン10ダブルバトルで使用した構築を紹介します。

〈構築について〉

 シーズン10、11はシングルダブル上位10匹禁止というレギュレーションになり、異なる環境ならスタートラインは同じなので、この期間だけ対戦に復帰してみることにしました。とりあえず使えるポケモンの一覧を見てみると、どうも霰が強そうだと感じ、霰パを組んでみることにしました。既に限界霰やレモネード霰など結果を残した構築は一応存在しました。しかしこの2つの構築は多くの要素を複合的に採用している構築であり、霰パではある一方で発想はかなりグッドスタッフに近いです(先制の爪ウオノラゴンの調整は無駄が多い気がしますが)。なのでこれらを参考にしつつ、少し的を絞った構築を組むことに決めました。

 まず霰をどう構築に活かしていくかを考えてみました。最初はすいすいにならって雪かきを考えていたのですが、先手を取れても相手を縛れなくては意味がないため、無難に吹雪を使用していくことにしました。ここで問題になるのが、どうやって試行回数を稼ぐという点です。先手を取る方法は凍える風があればある程度解決可能な一方で、問題は耐久をどう上げるのかでした。耐性が原因で霰パの主要パーツは低耐久に陥りがちです。かと言って威嚇枠で強いポケモンが現環境だとウインディしかいません。吹雪が通りづらい水タイプに対して弱い炎タイプを採用するのは避けたいと思い、そこで防御手段を色々と調べてみた結果、攻撃しながら壁を作れるキョダイラプラスが展開役として適任だと考えました。次に構築に無理なく吹雪を組み込むための雪降らし枠としてキュウコンを採用。ここまでの2匹がこの霰パにおける基本的な先発になっています。後発はラプラスキュウコンが削った相手を縛る役割を持つので、なるべく速いポケモンを採用することにしました。ウオノラゴンやらサンダースやら、紆余曲折ありましたが、最終的にロトムとウーラオスに決まりました。残りの2枠には4匹が手薄なトリックルーム対策と、ラプラスとは別にダイマックス出来るポケモンが必要でした。そこでトリル対策になり、それ以外にもある程度選出しやすいモロバレル、最後にセキタンザン、リザードン系統の構築にダイマックスを切りやすいホルードを採用しました。

 

〈個体解説〉

ラプラス(キョダイ個体)@命の玉 性格:控え目 特性:潤いボディ

実数値(努力値):207(12)‐×‐101(4)‐148(236)‐116(4)‐112(252)

個体値:31‐×‐31‐31‐31‐31

技:吹雪/ハイドロポンプ/10万ボルト/守る

 一致打点の水技を持つ吹雪使いで、本構築においては最もダイマックスする比率が高いです。剣盾ではルールを問わずトップメタの一角となっているポケモンですが、他のダイマックスポケモンとは少し運用法が異なります。他のダイマックスポケモンが味方の援護を受けてアドバンテージの獲得を目指すのに対して、ラプラスは専用技のキョダイセンリツが味方のサポートに役立ち、なおかつ自身が耐久寄りのポケモンであることから、むしろラプラスへのサポートは程々にしつつ周りを強力な駒で固める必要があります。

 技は特に捻りもない普通の構成です。氷技にはダイマックス時にセンリツの威力が最も高くなる吹雪を採用。吹雪はダイマックスターンを消費してからのダメ押しにも強く無駄がありません。水技として、これも威力重視でハイドロポンプを採用していますが、これは他の水技に選択肢が無いからです。他の水技候補はうたかたのアリアですが、いつでもラプラスダイマックスを切るわけではないので、使う度に味方に結構なダメージが入る技を採用することは出来ませんでした。後の2枠には追い風トリルへのターン稼ぎに役立つ守ると、水氷共に通らない水タイプへの対抗策として10万ボルトを採用しています。10万ボルトは雷と選択になりますが、10万ボルトの攻撃対象になる水タイプはラプラスへの対抗手段に乏しい傾向にあるので、電気技を覚えておくだけでも対策になると判断しました。

 持ち物は命の玉を選択。センリツによるサポートがメインとは書きましたが、それでもダイマックスポケモンである以上1匹位は倒せないと困ります。また壁を展開した後は後続のために早く倒れて欲しいので、耐久を下げて火力を引き出す命の玉は相性が良いです。他の候補となる光の粘土も、後続のために壁を残しやすくなる点では同じです。しかしその場合は壁の時間延長と引き換えに火力が下がるので、滅びの歌を絡めた耐久寄りの構築にした方が強いと思います。

 

フロストロトム@拘りスカーフ 性格:控え目 特性:浮遊

実数値(努力値):127(12)‐×‐128(4)‐155(236)‐128(4)‐137(252)

個体値:31‐×‐31‐31‐31‐31

技:吹雪/10万ボルト/ボルトチェンジ/トリック

 冷蔵庫です。雪降らしではない吹雪使いにはグレイシアが採用されやすいですが、ロトムの素早さの高さを見込んで採用しました。霰パの強さが吹雪に強く関連することは知っていると思います。では何故吹雪が重要かというと、単純に期待値が高い範囲技だからです。そのため、火力を活かすためには先手を取る必要があります。雨パや砂パであれば特性で先手を取れますが、霰パには特殊型に適した雪かき持ちがおらず、どうしても素早さが高い吹雪持ちが必要でした。そのため凍える風を受けた最速130族を抜けず、なおかつ特性も無いに等しいグレイシアは火力が高いとはいえ採用は難しいと判断しました。

 一方ロトム以外に一致吹雪を使用できる素早さが134以上のポケモンは存在します。しかしそのどれもが耐性に無視できない欠陥を抱えていたり、技の選択肢が貧弱であったりします。前者は先攻前提とみれば許容できなくはないですが、後者は非常にまずいです。剣盾以前の対戦環境であれば半減であっても吹雪を撃っておけば仕事をこなせますが、今作はダイマックスがあるため、不利対面で最低限の役割すら持てない場合、置物化したポケモンを放置されて詰みといった事態が容易に引き起こされます。またキュウコンが冷たい岩を持っていないため霰が止んだ状態で戦うことも考えると、吹雪を選べなくても一定の火力が保証されていることは大きな強みになります。

 以上のことから、技構成、努力値共にシンプルな調整になっています。努力値に関して割と火力は足りている印象を受けたので、11n調整をして余った部分をHPに振っても良いかもしれません。またトリックは終盤に出てくる高耐久ポケモンへの対抗手段として採用。基本的に攻撃技しか撃たなかったので、本当に一応採用しただけですが、終盤にロトムからの打点が無い相手に対して火力を削ぐ目的で使ったり、逆に味方に使って疑似的な素早さ操作を行ったりといった用途で使います。

 

キュウコン@気合のタスキ 性格:臆病 特性:雪降らし

実数値(努力値):149(4)‐×‐95‐133(252)‐120‐177(252)

個体値:31‐×‐31‐31‐31‐31

技:吹雪/凍える風/嘘泣き/守る

 最も採用を迷った枠です。現在使える雪降らしにはキュウコンバイバニラユキノオーがいます。今回はキュウコンを選択しており、攻撃を上から撃てる確率が高いことが他の雪降らしとの差別化になります。単に素早さ操作役というのであれば追い風を使えるファイアローがいますが、パッチラゴンやアイアントのような桁外れの火力が出せるポケモンが隣にいるならともかく、ラプラス軸なら隣もそれなりに火力が無くては相手と打ち合えません。ラプラスは後攻でもある程度戦えるポケモンで、なおかつ追い風展開を行う相手は大体初手にダイマックスを使ってくるので、ダイマックスが終わる頃には追い風も切れています。なので序盤で不利になっても後発で挽回できると考えました。

 持ち物は汎用性を重視して気合のタスキを持たせています。これにより一度は攻撃を耐えられるため、元々素早さが高く、吹雪のおかげで火力も並以上あるキュウコンに持たせるのが無難だと考えました。努力値は特攻と素早さに特化。技はメインウエポンの吹雪と素早さ操作が出来る凍える風、最後に広範囲に通じるサポート技である嘘泣きを採用しました。

 残り一枠の技の候補としては、いろいろと候補が存在します。ラプラスがキョダイセンリツを使えるのでオーロラベールは蛇足だとしても、守るか嘘泣きを切って催眠術か絶対零度を採用するか、これはかなり迷いました。一応二つの技について自分の考えを説明しておくと、これらの利点は完全な不利対面での逆転技になりうる点にあると考えています。言い換えればある種の緊急脱出手段な訳ですが、キュウコンの場合、凍える風か嘘泣きを撃っているだけでも殆どの詰み状態は回避できます。能力が下げられない相手であれば起点にされてしまいますが、そういった相手であれば他のポケモンが通るので大体何とか出来ます。またキュウコンはほぼ全試合で選出するポケモンであるため、汎用性が下がる技は極力採用を避けるべきです。よって広範囲に使える守るは残す必要があると考えました。

 

連撃の型ウーラオス(キョダイ個体)@達人の帯 性格:陽気 特性:不可視の拳

実数値(努力値):175‐182(252)‐120‐×‐81(4)‐163(252)

個体値:31‐31‐31‐×‐31‐31

技:インファイト/水流連打/見切り/雷パンチ

 守るを無視できるとんでもない特性を持つポケモンです。この枠を決める時点で、先発にラプラスキュウコン、後発にロトムを選出するプランを考えていました。そのため残りの一匹はロトムと攻撃の相性補完が取れるポケモンである必要があります。最初はウオノラゴンを試していましたが、構築との噛み合いが良くないと感じていました。専用技のエラ噛みは確かに強力なのですが、余りにも強過ぎて吹雪で相手を削る必要が全くないです。その上後発要員は安定して先手を取れる必要があることからウオノラゴンとロトムで拘りスカーフの取り合いが生じます。構築の強さに直結するロトムを含めた氷3匹は絶対に外すべきではないため、小回りが利かないウオノラゴンに代わるポケモンを探すことにしました。ここに求められる条件を挙げると以下の2つになります。

①強力な水打点を持つこと

②スカーフを持たずともある程度速いこと

③飛行弱点であること

 これらの条件を満たし、更に全体的な数値も高水準に収まっているポケモンということで、連撃ウーラオスの採用に至りました。ダイマックス技で霰が消えてしまうのが嫌だったのでキョダイ個体ですが、正直通常個体のダイストリーム展開も強力なので好みの問題です。

 努力値は攻撃と素早さに特化。HPに努力値を振ってしまうと、種族値の関係でちょうど16の倍数になってしまうので、多少無駄があっても特防4振りに留めています。技構成はインファイトと水流連打と見切りは確定。残る枠に何を採用しても良いですが、アシレーヌミロカロスといった高耐久水タイプ意識の雷パンチを覚えさせました。

 持ち物は広い技範囲を活かせる達人の帯を採用。他の候補は拘りハチマキ、気合のタスキ、命の玉などです。元が強すぎるので何を持たせても良いですが、基本的に後発に繰り出すので、技を打ち分けられる方が都合が良いと判断し、余っていた達人の帯を持たせています。

 

モロバレル@バコウの実 性格:図太い 特性:再生力

実数値(努力値):221(252)‐×‐132(236)‐100‐103(20)‐35

個体値:31‐×‐31‐31‐31‐0

技:守る/ヘドロ爆弾/怒りの粉/キノコの胞子

 ここまでのポケモンで薄めになっているトリックルームへのけん制役として採用しました。キノコの胞子と怒りの粉も習得するため、ダイマックスによる一点突破を狙う構築やギミック系の構築には非常に強いです。またこのポケモンに厚い布陣を敷こうとすると、どうしてもダイジェット使いに多い飛行タイプや、炎タイプを選出せざるを得なくなるため、間接的にラプラスを通しやすくなる点を評価しています。このようにダイマックスの隙を突ける点では優秀なポケモンである一方で、単体性能は貧弱です。モロバレルの選出により力負けする可能性も十分あり、迷った時は選出しないよう心がけていました。

 持ち物にはバコウの実を持たせています。壁に加えて自身もそれなりに耐久はあるので必要かどうかは微妙なところですが、このポケモン自体が受け身になりやすいので、各自好きなものを持たせて構わないでしょう。

 選出は極力絞っていましたが、モロバレルが構築に入ることで相手の選出を歪めて勝ったと考えられる試合も多くありました。上手く表現できませんが、このポケモンは相手には実際以上に強く見えているように思います。ひょっとしたら、「やられて嫌なこと」を押し付けてくるから記憶に残りやすいのかもしれません。個人的に単体のモロバレルは全く強いとは思いませんが、他のプレイヤーの目にはこのポケモンがどう映るのか気になります。

 

ホルード@防塵ゴーグル 性格:意地っ張り 特性:力持ち

実数値(努力値):161(4)‐117(244)‐98(4)‐×‐98(4)‐130(252)

個体値:31‐31‐31‐×‐31‐31

技:10万馬力/岩雪崩/飛び跳ねる/炎のパンチ

 ラプラスが出せない場合のダイマックス候補として採用。ラプラスと異なり運用に癖が無いので、キュウコンモロバレルでサポートしつつ行動回数を稼いでいきます。火力を重視して意地っ張りにしたせいでダイジェットを一回積んでも最速ファイアローより1遅いという微妙な素早さになっています。個人的にはそこまで速くする意義は薄いと判断しましたが、構築によっては最速にするのも候補に入ると思います。

 技構成は非常に悩みました。まず10万馬力か地震のどちらをメインウエポンに据えるかという問題ですが、この構築では横に浮いているポケモンが常に置けるわけではないので、とりあえず安定する10万馬力を使用していました。飛び跳ねるについては、ほぼダイジェットの元技に過ぎませんが、一応自分より遅いダイマックスポケモンに対しての時間稼ぎに使うこともあります。岩雪崩はキュウコンラプラスウーラオスが薄めの晴れパーティ対策で、特に晴れパの主力になるリザードンにダイロックを仕掛けていきます。残る1枠は水タイプへの打点になる雷パンチやドラゴン対策の冷凍パンチ、安定択になり得る守るなどが候補に挙がります。しかしこれらの構成ではダイマックスアイアントに対して大きく不利を取ってしまうため、汎用性の低下を承知で炎のパンチを採用しました。

 持ち物は防塵ゴーグルを持たせています。ホルードの役割対象の晴れパには眠り粉使いがいることもありその辺りを重く見ました。またこっちの方が重要なのですが、怒りの粉にも邪魔されなくなるので、ダイマックス中に行動のテンポを崩されにくくなります。ダイマックス環境において強力な技である以上、それを無視できる持ち物も相対的に強いと言えます。数値だけを見れば明らかに突撃チョッキの方が高くなりますが、最終的には粉使い相手に択を生じさせずに行動を通せるメリットを取りました。

 

 〈選出例〉

 今回かなり対戦数を重ねたのですが、相手のダイマックスしそうなポケモンによって選出が変化します。なので特定の構築タイプに対する決まった選出が成立しづらいです。これらについてはどうしても確実性が高いとは言えないため、暫定的に強いだろうと判断した選出のみ、回数が多かった順に列挙しておこうと思います。

①先発:キュウコンラプラス 後発:ロトムウーラオス

②先発:ラプラスモロバレル 後発:キュウコンウーラオス

③先発:ホルードキュウコン 後発:ロトムウーラオス

④先発:ウーラオスキュウコン 後発:ロトムホルード

⑤先発:ラプラスキュウコン 後発:モロバレルウーラオス

 一応補足しておくと、やらない方が良い選出も存在します。究極的に何が駄目なのかは状況によるとしか言えませんが、個人的な経験から先発にキュウコンモロバレルを選出するパターンは避けていました。簡単に言えば相手への圧力が弱いポケモンを並べるのは良くないという話ですが、それ以外にも後発にラプラスダイマックスさせる動きは(もっと言えばそうせざるを得ない状況に置かれた場合は)負けに繋がりやすいです。

 

〈戦績と感想〉

146勝73敗 最終レート2002 12位

 自分はとりあえずキリが良い所までレートを上げて満足していたのですが、最終日に他の方が頑張っているのを見た後だと、もう少し挑戦しても良かった気はしています。当初の目標が達成出来たら満足してしまうというか、何よりも体力が無いせいで短期間で順位を詰めていくのが凄く苦手なんです。どうしても数週間かけて試行回数を稼ぐ立ち回りになってしまいます。根本的な姿勢が対戦に向いてないのかもしれません。

 一方構築に関しては、少々堅実過ぎる構成ですが、手ごたえを感じられるものが出来ました。今まで運要素の部分が強調されてきたせいなのか、霰パを使う人の多くが奇策に頼っているような気がしています。確かに追加効果や特性にそういった種類のものが揃っているのである意味正解なんですが、それらはあくまで副次的な要素であって、根本的には他の天候パと目指す強さは変わらないと思っています。今回はひたすら吹雪による攻めを強化する方向性で構成しているので、その意図が本構築から伝わったら嬉しいです。

  

 ここまで読んで頂きありがとうございました。